JNCCも最終戦。今年はコロナの影響もあってこの時期までレースがあるという異例な展開でした。流石に12月のオフビは寒い! 風が吹くと砂埃もひどいし、かなり過酷な環境ですよね。
というわけで、JNCC最終戦、EDXオフロードヴィレッジにサポート参戦してきました。やはり今年は特別ということもあり、COMPクラスは20分短縮され、120分で最終チェッカー、人工セクションでは、失敗すると強制エスケープ+ウェイティングペナルティとなるルールでの開催です。
オフロードヴィレッジは関東圏になるということもあるせいか、スポット参戦のゲストライダーが多く出現します。今回は、トライアルIASの野崎史高選手、ワークスライダーの小方誠選手など、普段JNCCでは見かけないツワモノ達が集結し、豪華な顔ぶれとなりました。
渡辺学選手はJNCC年間チャンピオンが決まっているとはいえ、最後は優勝で締めたい気持ちでしょう。今回もメカニックとしてしっかり事前にマシンをメンテし、ベストな状態でレースに挑みます。
午前中はFUNクラスのレースとなります。なんと今回渡辺学選手は、今年発表された新型Tenere700で参戦します! 午後からCOMPクラスのレースがあるというのに・・・なんという余裕でしょうか(笑)
丸太セクションも軽々走破し、無転倒でゴールしていました。流石にレーサーだらけの中で順位こそ上がりませんでしたが、テネレ700の底力を見せつけられました。このテネレ700はタイヤを変えています。純正の性能の高さは中々のものですね。高速道路移動からの林道走破なんて使い方でも十二分に楽しめそうです。
ちなみに今回は私も久々にFUNクラスで出場しました。オフロードヴィレッジでのレースは久々でしたが、新型のYZ250FXは調子が良く気持ちよく走ることが出来ました。結果はクラス6位。エンスト時のエンジンの掛かりがイマイチ悪いのが気になりました。始動性については、自分のマシンでじっくり検証してみる予定です。先日導入したファクトリーサスのセッティングもまだまだ煮詰めていく予定です。
さて、午後からはCOMPクラスのスタートです。COMPクラスはAAクラスの選手紹介があるんですが、今回スポット参戦されたIASの野崎史高選手は、なんとジャックナイフしながら登場。流石、見せつけてくれます。
レースは当初の想定通りハイスピードレースとなりました。小方誠選手が一気に後続を引き離してかなりハイペースで独走します。その後、トップが鈴木健二選手に入れ替わるというモトクロス勢有利な展開へ。渡辺学選手も徐々にペースを上げ、ついにはトップ争いが始まりました。
後半は、小方誠選手も譲らず、数秒差で毎周順位が常に入れ替わる程のデッドヒート。見ている側もハラハラしますが、サポートしている私たちもドキドキものです。もちろん給油もしましたが、数秒差の争いの中での長いピット作業は、命取りにもなり得ます。最終戦ということもありここはピット員全員が集中してピット作業をこなしました。
ラスト3周くらい、常に数秒差の緊張感の中、ワンミスで脱落してしまうレースが続きます。相当な集中力が求められる展開。長丁場のクロスカントリーレースとしては珍しい展開ではないでしょうか。
丸太セクションなど、ちょっとバランスを崩しても順位が入れ替わる程の僅差が続きました。流石にこの場面は、渡辺学選手を信じるしかありませんね(笑)祈るような思いで全員が見守りました。
最後の最後まで分からない展開が続き、最終的にゴールしたのは・・・渡辺学選手でした! 2位の小方誠選手との差は1秒! 2時間のレースで1秒差というのは、感動するレベルの緊張感でした。まさに最終戦に相応しいチャンピオンならではの結果が残せたと思います。本当に感動しました!
サポート員としてはこのゴール程、安堵したレースはありませんでした。今年一番の盛り上がりとなりました。年間チャンピオン、そして最終戦総合優勝、本当におめでとうございます!
渡辺学選手がゴールした瞬間、ちょっとウルっと来てしまいました。メカニックとして一年間見守ってきた立場としては、自分のサポートと努力が報われた瞬間でした。本当に嬉しかったですね。そしてこの結果を出せる渡辺学選手の凄さを改めて実感しました。
EDXという今までにない形式のレースでしたが、クロスカントリーとはちょっと違う雰囲気でこれはこれで面白いレースですね。スキー場で開催されるレースとはまた違ったテクニックが求められるレースでした。
表彰式も今回のようなレース展開があったこともあり、大盛り上がりでした。各クラスのトップライダー達がお互いの健闘を労いました。皆さん、おめでとうございます! そしてお疲れさまでした!
1年間、JNCCというステージにおいて、渡辺学選手の専属メカニックとして常にサポートしてきましたが、年間チャンピオンへの貢献は勿論のこと、各レース毎のセッティングや整備などもしっかり行ってきたことの結果が出たことは大きな経験値を得ることが出来ました。まだまだメカニックとしてやれることはあると思っていますので、来年もまたしっかりサポートしていきたいと思います。
リッジサイクルでは、ご存じのようにプロライダーのサポートはもとより、サンデーライダーの皆様のサポートも行っています。このようなレースに興味がある方、またオフロードバイクやその整備に関することなど、何でもお気軽にご相談ください。プロの方が乗っても問題ないレベルにきっちり仕上げてお渡しします(笑)
来年はリッジサイクル発の試乗車やモディファイ車両の展開も考えています。イベントなどで見かけた際は、お気軽にお声がけ下さい。