オススメのグリップ「Lock-On Grip」のご紹介

桜も満開となり大分春めいた陽気になってきましたね。バイクに乗るには快適な季節がやってきました。

実は、先週のJEC全日本開幕戦、広島大会に参戦してきました。当日は春の嵐となり土砂降りの中スタートするという過酷なレースとなりましたが、クラス入賞という結果を出すことができました。この件については、別途改めて記事にしたいと思います。

今日は、そのJEC全日本開幕戦で使用してみた新しいグリップの紹介です。

Half Waffle MX Lock-On Grip Set Grey / Soft Compo
3800円(税抜)

グリップは、去年からオンラインショップでも扱っているLock-On Gripを愛用しています。今までは標準タイプを使用していましたが、今回、試しにソフトコンパウンドモデルを試してみました。結果として、非常に扱いやすくエンデューロレースで活躍できるモノだと思いました。

通常のLock-On Gripは、硬めの握り心地でモトクロス用途の商品です。細くて握りやすいのですが、雨が降ると、この硬さのせいか少し滑る印象がありました。その点、今回のソフトコンパウンドモデルは、グリップのリブに高さがあるので、滑るような印象はなく、操作感が損なわれませんでした。そもそも手で触って分かるレベルでゴムが柔らかいので、走行時の振動も吸収してくれている印象で、疲れにくかったように思います。

JEC全日本開幕戦は、土砂降りのマディだったので、当然グローブは泥で汚れました。多くのグリップは、リブの目に泥が詰まってツルツルになってしまいますが、このソフトコンパウンドモデルは、そんな風にならなかったので、転倒して地面に手をつくシュチュエーションが多いエンデューロレースに適していると思います。さらに振動も軽減してくれるとなればいいことづくめですね!

通常モデルは様々なカラー展開となっていますが、このソフトコンパウンドモデルはグレーのみとなっています。どの車両にも合う色ではありますので、気になる方はチェックしてみて下さい。

オンラインショップはこちらからどうぞ。

https://ridge-cycle.shop-pro.jp/?pid=154104381

JNCC開幕戦 サザンハリケーン大阪 サポート参戦

2021年のJNCCが開幕しましたね。今年も渡辺学選手の専属メカニックとしてサポート参戦します。渡辺学選手は、今年のJNCCにはスポット参戦の予定となっておりますが、参戦する時はサポートさせていただく予定です。

前日まで春の雨が残る天気予報となっておりましたが、レース当日は晴れ。水はけの良いプラザ坂下での開催なので、ベスコンになると予想してタイヤは前後X20で行くことに。去年の燃料消費データを元に、ノーマルタンクでも行けると判断してビックタンクからノーマルタンクに変更しました。

今年から大会前日の土曜日に、YAMAHAユーザ向けのプログラムとして、bLUcRU会員向けにオフロード講座が開催されました。1時間ほど鈴木健二選手によるオフロードバイクの基礎講習の後、渡辺学選手、馬場大貴選手とともにコースの下見が出来るというものです。プロ目線でのライン取りやコース攻略方法、状況に応じた対処方法など、ライダーのレベルに合わせたアドバイスが直接聞けるのは、貴重なコース下見となりますね。メーカーがこうしたコンテンツを用意するのは今までにない取り組みだと思いますので、こうした機会にプロとの距離が縮められるのは嬉しいですね。

午前中のFUNクラスが終わった後、COMPのレースが始まります。昨年総合優勝の渡辺学選手から入場です。

スタートラインについて軽く談笑中

今回のプラザ坂下のコースは、昨年よりエンデューロ要素が多くなり、ヒルクライムやモトクロスコース外のウッズが多めになっていました。コースの難易度もさることながら前走者との駆け引きも重要になってきます。

レースは、予想通りトップ争いが続きます。馬場大貴選手との一騎打ちが多い展開となりました。

抜きつ抜かれつの展開が続き、気が抜けない状況が続きます

今回も人工セクションは、巨大丸太に巨大タイヤと油断できないセクションでした。しかも1チャレンジのみという制約があり、失敗するとエスケープルートへの迂回が強制されるので大きなタイムロスとなります。斜め丸太では多くの転倒者が出ており、巻き添えになる場合もあるので状況判断が難しくなりますね。

ベスコンとはいえ、スピードレンジも高く緊張感のあるレース展開となりました

渡辺学選手は特にマシントラブルもなく、順調に周回を進めます。給油タイミングを厳密に計算し、今回は8周目に設定。馬場大貴選手も同じタイミングでの給油でした。

今回このようなヒルが4か所ほどあり、失敗すると大きくタイムロスするセクションが多かった印象

AAクラスの選手でもケガ人が何人か出ていたようで、意外とリタイヤも目立つレースでしたね。

ベスコンとなったのでペースは速めの展開が続きます
モトクロスコースでのスピードは群を抜いていました
油断ならない状況が続きます

L2になった頃、トップを走っていましたが、ヒルでスタックした前走者に巻き込まれたようで馬場大貴選手に抜かれてしまいました。流石にL2で30秒以上の差がついてしまうと挽回も厳しく、そのまま2位でのチェッカーとなりました。うーん、残念! あと数秒状況が違えば結果は変わっていたかと思うと悔しさが残るレースとなりました。

今年から通常の表彰式となりました

今年はスポット参戦の予定なので、参戦した時は優勝を狙いたかったですが今回は残念でしたね。それでも安定のトップ争いを続け、会場を盛り上げてくれました。

リッジサイクルのお客さんもCOMP Aクラスで参戦し、入賞されてました。おめでとうございます! この日はいい感じに乗れていたようで楽しんでおられました。

レベルの高いCOMP Aでの入賞、おめでとうございます!

次戦は第4戦のダイナランドになるかと思いますが、初開催の会場となりますのでどんな展開になるか楽しみですね。次回もキッチリ仕上げてサポート参戦しますので、会場でお会い出来たらお気軽にお声がけ下さい。

大人気ハンドガード取扱いのご案内

オフロードを始めた方によく聞かれるのが、ハンドガードはどれが良い?という質問です。オフロードバイクは転倒が付き物ですから、転倒時にダメージを受けやすいレバーを守るハンドガードは、必須装備と言えます。

ハンドガードにはいろんな種類があり、材質によって強度も違います。しかし装着することで重量が増えてしまったり、逆に弱すぎるとガードの役目をしてくれない場合もあり、実際どれが良いのか悩まれる方は多いです。

リッジサイクルではAcerbisのTRI-FITをオススメしています。こちらの製品は、オールプラスチック製でありながら剛性も十分で、装着した時の重量感が少なくハンドルのしなりなどを邪魔しない作りになっています。

見た目もスポーティでデザインも悪くないです

こちらからご購入頂けます。カラーも多彩なので、車両にあった色をチョイスしてください。

https://ridge-cycle.shop-pro.jp/?pid=158234840

取り付ける車両によっては、ハン ドル内径の違いからアタッチメントが必要な場合があります。2021年モデルのYZ250FXには以下のアタッチメントが必要でした。

TRI-FIT用アタッチメント

よりハードに使いたいという方、または何より頑丈さを重視する方には、Cycra製になります。こちらはアルミフレームで頑丈さは折り紙付き、形もカッコよいのでオススメです。メーター付き車両には、Uクランプモデルがオススメですね。

アルミフレームでより頑丈さを求めるならCycraがオススメです

こちらからご購入頂けます。

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リッジサイクルオンラインショップでは、 実際に使ってみて使い勝手が良かったものや機能性が考えられておりコスパの良いオススメのパーツを中心に取り扱っています。もちろん、カッコよさも大事な要素になりますので、そのあたりも加味してピックアップしております。

取扱のない商品も取り寄せ可能な場合がありますので、お気軽にお問い合わせください。

KYB Technical Touch(テクニカルタッチ)製品のご案内

昨年取扱いを開始したTechnical Touch(テクニカルタッチ)のご案内です。
テクニカルタッチではファクトリーサスだけでなく、KYB純正部品の販売もしています。

下の画像は、リアサスをオーバーホールする際に必要となる消耗品がセットになったサービスキットです。こちらがあればリアサスをリフレッシュすることができます。

リアショック サービスキット

リアサスのオーバーホールは、特殊な工具が必要になります。特殊工具もネット通販で購入可能だったりするので、個人の方でもオーバーホールは出来ます。とはいえ、個人の方がご自分で作業することは中々ハードルが高いと思いますので、行きつけのバイク屋さん経由での業販も行っております。もちろん、リッジサイクルに丸投げ!でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

リアサスのサービスキットは一例で、各部品も1点から注文可能です。フロントフォークのサービスキットもありますが、下の図にある番号が振ってある部品はすべて個別に注文出来ます。

リアサスの部品一覧。番号が付いてる部品は単品購入可能です
フロントフォークの部品一覧。こちらも同様、番号付きの部品は単品注文可能です。

上の図のフロントフォークはクローズドカートリッジですが、オープンカートリッジやエアサスなども同じように細かい部品の取り寄せが出来ます。ご自分のバイクに到着済みのサスペンションが分からない場合でもご相談に乗ります。

サスペンションのオーバーホールは、年に一度は行ったほうが良いです。常に動いている部品なので、内部の消耗パーツは結構減ってしまいます。サービスキットに付属するパーツの交換することで、基本的には本来の性能に戻ります。稀にサービスキットに含まれる部品以外の消耗が激しい場合もありますので、その場合は別途部品が必要になる場合もありますが、いつオーバーホールしたか分からない!なんて方は一度検討してみてください。

テクニカルタッチ商品は、消耗品だけでなく、カスタムパーツも色々あります。今回ご紹介するのは、リアサスに取り付けるトリプルアジャスターです。こちらは純正サスに取り付けるパーツですが、純正サスでは調整できない微調整(1ノッチが細かくなる)とリバウンドのLowが調整可能になるパーツです。

リアサスに取り付けるトリプルアジャスター

もちろんファクトリーキットも取り扱っています。ちなみにファクトリーキットにはトリプルアジャスターが最初からセットされています。

ファクトリーキットのリアサスペンション

取扱商品に関するお知らせでしたが、KYBの細かな純正パーツも取り寄せ可能ですし、作業が不安でしたら丸投げして頂いても問題ありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

リックサイクルオンラインショップ

https://ridge-cycle.shop-pro.jp/

2021年YZ125X、クロトレLDの新車納車!!

親子でレーサーデビュー♪
仲良し親子で憧れます。

レーサー購入前に、コースデビューやメンテの事を懸念されていたので、新車の納車をかねてクロスパーク勝沼に走りに行ってきました。

2021年式 YZ125XとBetaクロストレーナーLD

乗車前、乗車後のメンテナンスをアドバイスさせて頂き、コース内を案内して一緒に走り回りました。

今回は息子さんがYZ125X、パパがクロストレーナーLDを選択。YZ125Xは、軽くて戦闘力高いので、使い方次第でモトクロス〜HEDまでなんでもこなせる車両ですね。これから上手くなりたいって言ってる息子さんにピッタリの車両です。

2021年式YZ125X。軽くてパワーがあり、エンデューロからモトクロスまで楽しめます

パパのクロストレーナーLDは、低回転のトルクがあり、足を出していてもトラクションが抜けずグイグイ登る不思議な走破性がありますね。サスも段差や障害物を優しく吸収してくれる柔らか目の設定になっています。LDなので足付き良く、軽くてエンジンの再始動性も良いので、エンストしても無駄に体力を奪われないので、単純に走ることを楽しめて、無理せず楽しみたいって言ってたパパにはぴったりの選択でしたね。

2021年式クロストレーナーLD。足つき性もよく乗りやすい車両です。

一日走り回って、疲れてしまうかと思いきや、楽しかった!バイクも最高♪って言って頂けました。こちらも嬉しくなりますね♪

実は、ちゃっかり試乗もさせて頂きましたが、2台とも最高なバイクです。どちらも正常進化しており、初心者からベテランまで十分楽しめるポテンシャルに仕上がっています。これからオフロードバイクをはじめる方、今乗っている車両から乗り換える方、どちらにもオススメできる車両ですね。オフロードにハマりそうな予感がする方は、YZ125Xをオススメします(笑)

少し話しかわりますが基本メンテ、なにをどうしたらいいかわからないって方は意外と多いんでしょうか? お客さんや、レース会場で話を聞いたりして最近感じることが多いです。時間や工具がなくてできないのか、やり方がわからないからできないのか、その辺ちょっとヒアリングして皆様に役立つ情報発信をしていきたいと思いました。

EDXオフロードヴィレッジ サポート参戦

JNCCも最終戦。今年はコロナの影響もあってこの時期までレースがあるという異例な展開でした。流石に12月のオフビは寒い! 風が吹くと砂埃もひどいし、かなり過酷な環境ですよね。

というわけで、JNCC最終戦、EDXオフロードヴィレッジにサポート参戦してきました。やはり今年は特別ということもあり、COMPクラスは20分短縮され、120分で最終チェッカー、人工セクションでは、失敗すると強制エスケープ+ウェイティングペナルティとなるルールでの開催です。

オフロードヴィレッジは関東圏になるということもあるせいか、スポット参戦のゲストライダーが多く出現します。今回は、トライアルIASの野崎史高選手、ワークスライダーの小方誠選手など、普段JNCCでは見かけないツワモノ達が集結し、豪華な顔ぶれとなりました。

渡辺学選手はJNCC年間チャンピオンが決まっているとはいえ、最後は優勝で締めたい気持ちでしょう。今回もメカニックとしてしっかり事前にマシンをメンテし、ベストな状態でレースに挑みます。

午前中はFUNクラスのレースとなります。なんと今回渡辺学選手は、今年発表された新型Tenere700で参戦します! 午後からCOMPクラスのレースがあるというのに・・・なんという余裕でしょうか(笑)

順調に周回を重ねていく渡辺学選手
巨体をいとも簡単に操ってました

丸太セクションも軽々走破し、無転倒でゴールしていました。流石にレーサーだらけの中で順位こそ上がりませんでしたが、テネレ700の底力を見せつけられました。このテネレ700はタイヤを変えています。純正の性能の高さは中々のものですね。高速道路移動からの林道走破なんて使い方でも十二分に楽しめそうです。

ちなみに今回は私も久々にFUNクラスで出場しました。オフロードヴィレッジでのレースは久々でしたが、新型のYZ250FXは調子が良く気持ちよく走ることが出来ました。結果はクラス6位。エンスト時のエンジンの掛かりがイマイチ悪いのが気になりました。始動性については、自分のマシンでじっくり検証してみる予定です。先日導入したファクトリーサスのセッティングもまだまだ煮詰めていく予定です。

コースが狭く抜きどころが少なかったが気持ちよく走れました

さて、午後からはCOMPクラスのスタートです。COMPクラスはAAクラスの選手紹介があるんですが、今回スポット参戦されたIASの野崎史高選手は、なんとジャックナイフしながら登場。流石、見せつけてくれます。

IAS野崎史高選手の登場シーン

レースは当初の想定通りハイスピードレースとなりました。小方誠選手が一気に後続を引き離してかなりハイペースで独走します。その後、トップが鈴木健二選手に入れ替わるというモトクロス勢有利な展開へ。渡辺学選手も徐々にペースを上げ、ついにはトップ争いが始まりました。

徐々にペースを上げてトップ争いに食い込みます

後半は、小方誠選手も譲らず、数秒差で毎周順位が常に入れ替わる程のデッドヒート。見ている側もハラハラしますが、サポートしている私たちもドキドキものです。もちろん給油もしましたが、数秒差の争いの中での長いピット作業は、命取りにもなり得ます。最終戦ということもありここはピット員全員が集中してピット作業をこなしました。

すぐ前を走る小方誠選手とのデッドヒート

ラスト3周くらい、常に数秒差の緊張感の中、ワンミスで脱落してしまうレースが続きます。相当な集中力が求められる展開。長丁場のクロスカントリーレースとしては珍しい展開ではないでしょうか。

抜きつ抜かれつの展開が続きます

丸太セクションなど、ちょっとバランスを崩しても順位が入れ替わる程の僅差が続きました。流石にこの場面は、渡辺学選手を信じるしかありませんね(笑)祈るような思いで全員が見守りました。

油断ならない緊張したレースが続きます

最後の最後まで分からない展開が続き、最終的にゴールしたのは・・・渡辺学選手でした! 2位の小方誠選手との差は1秒! 2時間のレースで1秒差というのは、感動するレベルの緊張感でした。まさに最終戦に相応しいチャンピオンならではの結果が残せたと思います。本当に感動しました!

1位でチェッカーを受ける渡辺学選手

サポート員としてはこのゴール程、安堵したレースはありませんでした。今年一番の盛り上がりとなりました。年間チャンピオン、そして最終戦総合優勝、本当におめでとうございます!

互いに健闘を称えあう渡辺学選手と小方誠選手

渡辺学選手がゴールした瞬間、ちょっとウルっと来てしまいました。メカニックとして一年間見守ってきた立場としては、自分のサポートと努力が報われた瞬間でした。本当に嬉しかったですね。そしてこの結果を出せる渡辺学選手の凄さを改めて実感しました。

優勝おめでとうございます!

EDXという今までにない形式のレースでしたが、クロスカントリーとはちょっと違う雰囲気でこれはこれで面白いレースですね。スキー場で開催されるレースとはまた違ったテクニックが求められるレースでした。

各クラスの入賞選手が健闘を称えあう

表彰式も今回のようなレース展開があったこともあり、大盛り上がりでした。各クラスのトップライダー達がお互いの健闘を労いました。皆さん、おめでとうございます! そしてお疲れさまでした!

リッジサイクルとサポートメンバー全員での優勝写真

1年間、JNCCというステージにおいて、渡辺学選手の専属メカニックとして常にサポートしてきましたが、年間チャンピオンへの貢献は勿論のこと、各レース毎のセッティングや整備などもしっかり行ってきたことの結果が出たことは大きな経験値を得ることが出来ました。まだまだメカニックとしてやれることはあると思っていますので、来年もまたしっかりサポートしていきたいと思います。

リッジサイクルでは、ご存じのようにプロライダーのサポートはもとより、サンデーライダーの皆様のサポートも行っています。このようなレースに興味がある方、またオフロードバイクやその整備に関することなど、何でもお気軽にご相談ください。プロの方が乗っても問題ないレベルにきっちり仕上げてお渡しします(笑)

来年はリッジサイクル発の試乗車やモディファイ車両の展開も考えています。イベントなどで見かけた際は、お気軽にお声がけ下さい。

オータムハリケーン大阪 サポート参戦

JNCCとしては今年2回目となるプラザ坂下での大阪大会にサポート参戦してきました。2月は雨の中のマディコンディションでしたが、今回は完全ドライのベストコンディション。かなりハイスピードなレース展開が予想されます。

順調に周回を進めていた渡辺学選手ですが、3周目くらいでスタンドのスプリングが外れてしまい、スタンドが出っぱなしになるというアクシデントが発生。どうやら走行中に岩か何かにヒットさせてしまったようです。

そのまま走り続けるのも無理があったので、緊急ピットインしてもらい、スタンドは外してしまいました。その間に1度のみの予定だった給油もしておきます。まだガソリンはそんなに減ってませんし、今入れても完走はできませんが止まった時間を無駄にしない為にもついでの作業として給油しました。

完全ドライコンディションで、ハイスピードレースとなりました

レースは、田中教世選手や馬場大貴選手とトップ争いを繰り広げる展開へ。どちらの選手も一歩も譲らずデッドヒートが続きます。数秒差で順位が入れ替わる展開となりました。このようなレース展開の場合、予定していた給油ピットのタイミングも大事になってきます。

すぐ後ろに馬場大貴選手が迫ります

丸太やタイヤセクションは転倒者続出でしたが、AAクラスの選手は華麗に走破してましたね。でも流石に2時間を過ぎたころから徐々に疲れが出始め、ミスする選手も散見されました。このような人口セクションは地味に体力を奪っていきます。

人工セクションを超えたらすぐスピード勝負!の連続です

コースの大半がモトクロスコースのプラザ坂下ですが、COMPクラスは、直登やガレ、ヒューム管などのセクションが追加されています。それらのセクションは観客にとっても見応えのある場所ですね。AAクラスが失敗することは殆どありませんが、他のクラスの失敗者でラインが塞がれていたりすると、一気に難易度が上がります。

タイヤセクションでは前転してしまうライダーもいました
ヒルクライムを難なく一発登頂する渡辺学選手

予定通りの給油を終え、後半はペースが上がりますが中々後続との差が広がりません。最終的には馬場大貴選手に抜かれてしまい、2位でフィニッシュとなりました。でも本戦、4位入賞以上で、年間チャンピオン獲得となっていたので、今回の2位でも十分な結果でした。転倒や大きなトラブルもなく走破することが出来ましたね。

2時間半、タフなレース展開でしたが、年間チャンピオンおめでとうございます!

今年は渡辺学選手のメカニックとして、マシンの整備はもとよりレースでのピット作業もメインで行ってきました。ライダーが走りに専念できる体制で対応してきましたが、年間チャンピオン獲得に貢献できて大変嬉しく思います。AAライダーが乗るバイクは、サンデーライダーでは考えられないほど負担も大きいので、ちょっとした整備ミスが無用なトラブルの引き金になることもあります。いつも念には念を入れて整備を行っていますが、それでもギリギリだったりすることもあったので、今後はそれらのノウハウも取り込みつつ、メカニックとして更に腕を上げていきたいと思います。

プロライダーをサポートするくらいなので、一般整備もバッチリ仕上げます。オフロードバイクがメインですが、困ったことがありましたら何でもお気軽にご相談ください(笑)

さて、今年はあと1戦、EDXモトクロスヴィレッジを残すのみとなりました。最終戦なので年間チャンピオンが決まっているとはいえ、優勝で飾りたいですね。渡辺学選手も気合が入っていましたので、私も十二分のサポートで参戦したいと思います。

Technical Touch取扱開始しました

久々の更新となってしまいました。10月からの納車ラッシュに続き、11月はJEC東日本の最終戦やJNCCのレースが二回あったので忙しくしておりました。お陰様でなんやかんやと忙しく仕事させて頂いています。

さて、本日はTechnical Touch(テクニカルタッチ)商品の取扱開始のお知らせです。テクニカルタッチとは、ベルギーに本社があるKYBの部品を扱う会社です。KYBだけではなく、HinsonやXTRIG、USヨシムラなんかも取り扱っています。Ridge Cycleは、テクニカルタッチのディーラーとして登録されましたので、テクニカルタッチ製品なら何でも取り寄せることが可能です。日本国内では唯一、アジア圏内でも3つしかないディーラーのひとつとなりました。

早速ですが、私自身のマシン(2021年YZ250FX)にKYBのファクトリーサスを導入してみました。こちらのマシンは各レース会場で試乗車として皆さんに乗って頂こうと思っています。ファクトリーサスは、大変高価なので中々試乗する機会はないと思いますので、楽しみにしていて下さい。

折角なので、KYBのファクトリーサスがどんな感じで届くのかをレポートしてみますね。

まず、オーダーする際に、ライダーの体重・身長・技量・使用シュチュエーションをメーカー側に伝えます。そうすると、専用のセッティングに調整してから出荷してくれます。今回、私は技量はアマチュア、使用シュチュエーションはクロスカントリー&エンデューロでオーダーしました。オーダーしてから5日ほどで届きました。

こんな感じで送られてきます
Factory Kitは立派なケースに入っています。リアサスはケースには入っていませんが一緒に撮影してみました。

立派なケースにも驚きですが、フォーク自体の美しさに言葉を奪われますね。この雰囲気、かなりいい感じです。

細かく見ていきますと。

アウターチューブはカシマコート施工済み

アウターチューブはカシマコートが施工されています。カシマコートは通常のアルマイト加工より硬いので傷つきにくいです。

インナーチューブはDLCコート施工済み、削り出しのクランプもカッコいいです。

インナーチューブはDLCコートが施工されています。こちらも傷つきにくいのもありますが、フリクションが軽減されます。クランプはアルミの削り出しで、アクスルシャフトを前から後ろに固定します。純正とは違う形状ですね。

車体に取り付けるとこんな雰囲気になります

続いてリアサスです。リアサスもカシマコートが施工されています。

ファクトリーサスならではの、このカラーがテンション上がりますね!

純正サスに比べると大分カッコいいですね。構造自体は純正サスと大差ありません。

XTRIGのアジャスターが標準装備されています

リアサスにはXTRIGのアジャスターが標準装備されています。この部品は、プリロードの調整がワンタッチで変更可能です。

トリプルアジャスターも標準装備

また、上部にはトリプルアジャスターが標準装備されています。このパーツは、戻り側のロースピードとハイスピード、両方の調整が可能です。また、縮み側の調整もマイナスドライバーで変更可能です。純正は17㎜のレンチが必要ですが、こちらはすべての調整がマイナスドライバーのみで調整できます。

取り付けるとこんな感じになります

流石はファクトリーサス、大分カッコいいですね。

リアサスはこんな感じです

とりあえず、メーカーのセッティングのまま試乗してみました。YZ250FXの標準サスよりワンランク硬いスプリングがセットされている為、静止状態で跨った感じは少し硬く感じましたが、走り出すと硬さはさほど感じられず、路面に吸い付くような感覚がありました。硬めのサスでは経験したことのない感覚で新鮮でした。

何度か試乗して色々とセッティングを変更してみました。モトクロスコースやハイスピードコースであればこのままのセッティングでも良さそうですが、ガレ場や少しハードなシュチュエーションでは、私の体重やスピードレンジではバネレートをもう少し下げたほうがよさそうな感じがしました。また、よりビギナー向けに振ったセッティングも需要が高そうなので、そちらも検討していく予定です。IBレベルのスピードレンジでちょうど良さそうな感じだったので、この辺は今後調整しながら試乗車として多くの方が楽しめるセッティングを見つけていきます。

これだけの効果があるなら決して高すぎる買い物ではないと思いました。レースで結果を出したい方、より楽しく乗りたい方、カッコいいバイクが好きな方、もし気になるようでしたら、遠慮なくお気軽にご相談ください!

既にリッジサイクルのオンラインショップで取り扱っておりますので、以下のリンクからどうぞ!

https://ridge-cycle.shop-pro.jp/

YZ250FX 2021モデル入荷

21モデルがデリバリー開始されましたね!
当店にもYZ250FXが入荷いたしました。何名かの方にご注文いただきましたので、順次納車整備を進めています。新しいモデルについて軽く説明します。

2021年モデルは青ベースで弾きしまったデザインになりました

2021年モデルは、2020年モデルと比べると外装以外は同じです。私が乗っている2019年モデルからは結構進化しています。 全域で扱いやすくなったエンジン、 体感的にはより上が回るようになりました。セルモーターの位置が変更になっています。シリンダヘッドの形状も変わっていますね。モード切替スイッチが付いたので、ボタン一つで切替が可能になりました。また、スマートフォンでマッピングの変更が可能になっています。

ゼッケンプレートも青になったことでより青々しくなっています

マフラーの形状も短くなりました。2020年モデルの白いカラーリングから比べると、青×黒に統一されていて、大分クールな印象です。2019年モデルより3kg軽くなったのみですが、 マスの集中化により実際に乗ってみると体感的な軽さはそれ以上のものがあります。これについてはカタログ値ではわかりませんが乗ってみると分かる軽さがあります。体感的な軽さは、取り回しのしやすさや倒し込みなどで有利に働きます。

エンジン回りは大幅にモディファイされています

クラッチ容量が上がり、クラッチスプリングが5本から6本に変更されています。この辺は細かい設計の見直しがあったようです。フレームも2019年モデルと比べて細くなり、軽くて扱いやすくなりました。スロットルボディも変更されています。スキットプレートも大きくなり、ウォーターポンプまでカバーされていますね。

短くなったマフラーはなぜか半分磨かれています。理由は分かりませんが…

リア回りは多少の形状変更があったようです。あまり大幅な変更はないように見受けられます。

フロント周りはブラケットが塗装されています。スキットプレートの大きさはこの角度から見るとよくわかりますね。フレームの穴をカバーしているので泥が入り込むこともありません。

ここから先は納車整備時の作業風景をご紹介します。

まずはリア回り、スイングアームやリンクを外してグリスアップしていきます。

可動部はすべてグリスアップします

大きな可動部は勿論ですが、細かいボルトに至るまでグリスアップの対象です。最初にこの作業をしておくと固着や錆びを防げます。

チェーンアジャスターのボルトもグリスアップします
チェーンスライダーの小さなボルトももちろんグリスアップ

スイングアームのシールは、めくれてしまっていることが多いので、必ずバラして点検し、グリスアップします。

めくれてしまっているスイングアームのシールをチェック

このめくれ、水や泥の侵入の原因となるのでここはきっちり組み直します。

組みあがったスイングアーム

写真を撮り忘れましたが、もちろんハンドル回りもグリスアップの対象です。ステム回りも一度ばらします。スロットルチューブにはフッ素系のケミカルで対応し、ワイヤー類も注油し、動作確認します。

バッテリーはYAMAHA純正の充電器で充電します。2020年からLi-ionバッテリーになっていますね。

燃料ホースやカプラーを外す時、リッジサイクルでは以下のメカニックプライヤーを使っています。メカニックプライヤーは何種類かあり、こちらの工具は丸いものを掴む際に使うものですが、この形状が燃料ホースを外す作業にバッチリで、あるとないとでは作業効率が大幅に違います。サンデーメカニックさんでもひとつ準備しておくと、燃料ホースやカプラーが抜けなくてイライラすることがなくなりますよ。

KNIPEX製のメカニックプライヤー
燃料ホースなどの外しにくいカプラーも一撃です

限られた時間の中でしっかり仕上げる為には、精度高い工具は必須です。工具は早々壊れるものではないので、ある程度良いものを揃えることをオススメします。こちらのプライヤーは個人的にかなり便利だったのでご紹介してみました。

ビッグディア広島 サポート参戦

10月10日-11日に開催された、 JNCC第5戦、ビックディア広島のサポートに行ってきました。今年は大阪に続き二度目の関西地方の遠征ですね。九州がなくなったので関東からは一番遠い開催地になりました。

今回、渡辺学選手は新型の2021年式 YZ450Fで参戦です。前回はYZ450FXでの参戦でしたが今回はよりセッティングが出ているYZ450Fにしたようです。

ちなみにYZ450FとYZ450FXの違いは、以下になります。

  • YZ450FはモトクロッサーでYZ450FXはエンデューランサー
  • ミッションのギア比の違い
  • リアホイールの大きさの違い(18インチに変更済み)
  • 足回りの違い(FXよりのセッティングに変更済み⦆
  • ECUの違い(GETのECUに変更済み。GETのECUはトラコンを使える)

直前まで台風直撃の予報も出ており、天気がどうなるか全くわからない状態でした。結果的に台風は逸れて当日は快晴、金曜にさっと降る程度でベスコンでの開催となりました。

FUNクラスには当店の常連さんがエントリーしていますので午前中はそのレースを観戦しました。FUNクラスのコースは特に難所はないもののテクニカルな設定だったようです。大きなけがもなく楽しく走れたようでしたが、それぞれの課題も見つかったみたいですね。

FUNクラスを走る当店の常連さん

COMPクラスは、FUNクラスとの差が大きく、難所が多かった印象。深い轍がある下りとかガレの上り、沢の脇を下ったりと、ワンミスで順位が大きく入れ替わるトラップが多かったように思います。ボーナスラインはヒルクライムが何本かありましたが、上位陣にはあまり難所にはなっていない様子でした。

COMPは勾配のあるウッズが多く、難易度が高いコース設定

レースは、予想通り鈴木健二選手と馬場大貴選手との争いになりました。当初の想定より燃費が良かったので、鈴木健二選手や馬場大貴選手と給油タイミングをあえてずらして、ペースを上げる作戦をとりました。次の周での給油作業は手早く行えたんですが、鈴木健二選手もペースを上げてきており、最終的には2位でのフィニッシュとなりました。

年間シリーズチャンピオンを手堅く狙うという意味では、今回の2位でも十分獲得圏内でしたので、今回は無理しない展開になりました。シリーズ戦ということもあり、ここで無理してケガをしても次戦以降に響きますからね。大人の判断だったと思います。

というわけで、次戦は鈴蘭ですね。今シーズン最後のマウンテンコースということで、秘密兵器を導入するらしいです。乞うご期待!